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「特殊唱法」を専門とする私がなぜ普遍的なテーマでワークショップをやるようになったか

大阪でやるワークショップのために書いたテキストですが、東京でやっているワークショップや、個人レッスンにも関係するので、自分のブログでもアップする事にしました。

今まであまり自分のコトと絡めて書いた事は無かったんですが、
そっちの方が読み人には分かりやすいかと思い、チャンレジしてみました。

なお、大阪のワークショップの詳細・申込先はこちら
http://yokielnl.blog11.fc2.com/blog-entry-19.html

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・挨拶と自己紹介
 こんにちわ。私は東京を拠点に活動している、ボイスパフォーマーの徳久ウィリアムと申します。

 私は「特殊唱法」を専門としておりまして、
 一見喉を壊しそうな特殊唱法を使ったライブを、
 ここ5~6年は、年間約120本やっています。

参考動画
 

 勿論、商売道具である喉を壊したことはありません。


・今回のレッスンでは
 「呼吸を深くして、気持ち良く声を身体に響かせる」というテーマで、幾つかのワークを行う予定です。

 「特殊唱法」と、こんな普遍的なテーマとどう結びつくのかと疑問に思う方もいると思いますので、
 私がこういった普遍的なテーマでワークショップをやるようになった経緯について簡単に説明したいと思います。


・呼吸が浅かった時代

 私が最初のバンドをやめ、ソロとして活動を開始して、半年ほど経ったころです。
 この当時は、平日はほぼフルタイムでアルバイトをし、
 仕事の後と土日にリハーサルや練習をしてました。
 つまり、全く休みの無い状態。これをしばらく続けていたら、メマイを発症しました。

 病院やクスリに頼らず、自分で何とか治すために、色々と調べて、
 近所のヨガ教室に通うコトになりました。

 するとヨガの先生に「呼吸の浅さ」を指摘され、大変驚きました。

 私は中学生から柔道を10年間続け(大学でも体育会系の柔道部に所属していました)、、
 普通の人よりも体力には自信がありましたし、

 既にボイスパフォーマーとして3年活動していたので、
 自分の呼吸が浅い、なんてことはあり得ないと思い込んでました。

 でも同時に、たまに起きる、「呼吸の変な感じ」が気にはなっておりました。

 今となってみれば、
 その変な感じが、「呼吸の浅さ」から来るモノで、
 そしてそれが改善できる、という発想が全くありませんでした。

・脳はヒトをだます

 そもそもなぜ私は呼吸の浅さに気づかなかったのでしょうか?

 それは、脳の持つ機能に関係します。

 ヒトは主に目をはじめ、
 様々な感覚器官から入る膨大な情報を処理するために、
 「情報を選別する」機能を持ち、必要が無いと判断した情報に関しては
 感知しても無視できるような機能を持っています。

 当時の私は、ただでさえ異様に情報が多い東京という街で、
 パソコンの前で長時間作業をするアルバイトをしていたため、
 かなりの情報ストレスを身体に与えていました。

 この時の私の脳は、膨大な情報を選別していたはずですが、
 それら様々な情報の中には、身体からの信号もあったコトでしょう。

 しかし、私はそれを無視するコトに慣れてしまい、
 それで早い段階で身体の異変に気づくコトが出来ず、
 メマイがヒドイ状態になるまでに放置してしまったのでした。

・意識するコトが第一歩

 ヨガを始めてからは、呼吸と身体に意識が向くようになりました。

 当たり前のコトですが、「発声」は息が無いと「声」になりません。
 なので、呼吸が浅いと、発声力も低下しますし、
 そもそも、生命力が低下すると、楽器としての身体の機能も下がります。

 ボイスパフォーマーとして、呼吸の重要性に気づかされた体験でした。

 ヨガの本にも書かれていますが、
 身体に不調があった場合、ヒトは、まず気になる箇所を「意識するコト」で
 不調を治すキッカケを作るようです。
 まず気づく、意識するコトが、改善の大きな第一歩となります。

 私のメマイも、呼吸や身体に意識が向くようになってから、症状が治まりました。

・ヒトとサルの大きな違い「声」

 ここ2,3年、私は「声の秘密」「歌うネアンデルタール」「BornToRun」といった本を読んだことから、
 ホモ・サピエンス=ヒトにとって、呼吸・発声とは何だろう?という根源的な疑問へ興味が湧くようになりました。

 他の生物にない、ヒトならではの特徴として、「大きな脳」はすぐに思いつくところですが、
 言語を生み出す元となった、様々な音を出せる発声器官も、ヒトならではの大きな特徴です。

 ワレワレはこの柔軟な発声器官で、沢山の音を操るように進化しました。
 つまりは、生まれつき、言葉を喋ったり、歌ったりするように出来ているのです。

 逆に言えば、喋ったり、歌ったりしないと、身体の全体の機能は低下する可能性が高くなります。

 喋るコト、歌うコトが、ヒトとして必要なコトだと知ってからは、
 確信を持って、積極的に声を出すコトを、
 ヒトに教えたりするようになりました。

・脱力のし過ぎは良く無い

 今年になってからは、古武術との出会いから、
 「韓氏意拳」という中国拳法の稽古に通うことにしました。

 初めての稽古の日、先生に「あなたは脱力し過ぎるクセがある」と指摘され、
 やはりとても驚きました。

 私は、柔道の後は、6,7年ほど太極拳を練習していて、
 練習の中で一番重要視していたのは「脱力」でした。

 脱力は技術なので、練習すれば当然上達します。
 私の脱力は、そこそこ上達していたように思っていましたし、
 実際、それはボイスパフォーマンスにも良い影響を与えていました。
 私が喉を壊さずに済んでいたのは、この脱力のお陰なのは間違いありません。

 だからこそ、「脱力のし過ぎ」という指摘は衝撃的でした。

 しかも、その指摘が、単なる観念的なものでは無く、
 先生と私の技の効き目の違い、という明確な差でもって体感させられるため、
 その日から、私の身体の動かし方は、大きく変化せざるを得ませんでした。

 今は、「中庸」=「自然の状態」を保つべく、日々練習をしていますし、
 それは早くもパフォーマンスに良い形で表れているように感じます。

・ヒトが持つ未知の可能性

 ヒトは、自然の産物以外ナニモノでもありません。

 なので、その身体には、本来の野生の動物としての、たくましく高度な機能が備わっています。

 また、体内には、生体反応という自然現象が、四六時中、
 同時多発的かつ、非常に複雑に影響しあいながら、内在してます。

 自然現象は、人知の及ばない、美しさ・不思議さ・未知の可能性を常に秘めています。
 それは天気を始めとする様々な自然現象を思い浮かべてみれば分かるでしょう。

 つまり、ヒトの身体も、自然現象として、未知の可能性に満ちているのです。

・参加者とシェアしたいこと

 こういったように、現在の私の興味は、
 「ヒトが発声するコトの根源的な理由」と、
 「身体そのものの面白さと可能性」、
 に向かってます。

 そして、そういった観点から得たモノを、
 まずは自分で試してみて、ライブなどでその成果を感じています。

 私は今年で38になります。
 柔道をやっていた頃の体力はありませんが、
 身体の使い方はその頃よりも巧みになっているように感じますし、
 何よりもそれは自分の演奏で良い方向に表れています。

 そして、自分で実際に試した成果を、レッスンやレクチャーを通じて、
 呼吸や声、身体に興味のある方にも還元するようにしていて、
 幸いにも好評を得ております。

 今度は、関西に住む皆様と、その成果をシェアできればと思います。


・予定しているワーク

ただし、これはあくまでもこれを書いている現時点での私の研究結果です。
新たな気付きや発見があれば多少なりとも内容が変更する可能性があります

予定内容

・身体への集中法
  安定を保ちながら、すぐに動けるという、ヒトの身体の構造に意識を向けることで、身体の本来のハタラキを十分に活かす

・呼吸筋呼吸法
  呼吸をする上でとても大事なハタラキをする呼吸筋を理解し、それを意識しながら呼吸する

・楽に発声する方法
  発声は呼吸ありき。を意識するワーク。また、口の開け方も解説

・倍音声明ワーク
  身体の響きを十分に活かして楽に発声する

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以上です。

感想など、何かフィードバックを頂けたら大変嬉しいです。

なお、大阪のワークショップの詳細・申込先はこちらです。
http://yokielnl.blog11.fc2.com/blog-entry-19.html

東京ではこういうワークショップもやっております。
http://ototoy.jp/school/event/info/35/

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