韓氏意拳 韓先生来日講習会 メモ
数年ぶりに
韓氏意拳の創始者の韓競辰先生の来日講習会
に参加してきました。
韓氏意拳のサイト
http://hsyq-j.blogspot.com/
韓競辰導師来日講習会2019
の公式サイト
http://www.hsyq-j.com/2019/
韓先生は、今回も声が超デカかった!!(笑)
そのエネルギッシュで、ユーモアを忘れないお話ぶりは、
ボイスパフォーマー・トレーナー目線でも、
とても良いお手本です。
内容は言わずもがな。
過去に教わったトピックでも、
違う側面からの解説で、
より立体的になり、
世界観がどんどん深まっていく。
素晴らしい講習会でした。
そして、相変わらず特筆すべきは、
拳を打つ時の”気合”。
これが本当にすごい!
みんなにも聞かせたい!
あの声が出せる、というのも、
韓先生の境地を語る上では重要なのでは無いだろうか?
なんてことも考えたり。
韓競辰導師2019年来日講習会 2日目:初級講習会(会員向け)。
— 光岡英稔 (@McLaird44) 2019年4月28日
午後の講習会もフィナーレに入り、韓競辰導師から父上である韓星僑先師や王薌齋先師の出身地である河北省の武術観を皆で体感しながら教わりました。
実践性が高いことで有名だった形意拳、八極拳が実践されて来た理由などを教わりました。 pic.twitter.com/YZecNSztp2
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以下、私のメモ。なので、文責はすべて私にあります。
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◆歩法の要点
・これ以上下回ってはいけない生存のラインがスタート
・運動は、集まっているところから、更に集まること
・まとまりは、筋肉の緊張では無い
・萬法は1に帰る
・離合:危機に対する距離
◆技撃椿
・未知に対する”恐れ”が前提
・恐れがあるのは当たり前のこと。
・なので、必要以上に恐れる必要は無い
・認めることが大事
・そもそも、未知に対する備えは意味が無い
・未知に対する状態、感知力が重要
・感知力があれば応ずることが出来る
・それが技撃力を上げてくれる
・努力は大事だが、どこを対象にするか、が大事
・”驚き”が全てのスタート(王先生の言葉)
・(状態に入ると)関節が全て曲がる(形意拳に伝わる言葉)
・ざわざわする感じ(韓星橋先生の言葉)
・目的は”状態”に注目すること
・順式→逆式のポイント:相手の目を見る。眼で感じる(自然な規範作用)
・捧抱式のポイント:手が上がると膝も上がる。前ではなく”上”を感じる
・重心転換のポイント:一般的には「形が変われば重心が変わる」と考えられている。
が、自然においては、重心の移動が形を変える。
そしてこのような移動が一番速い。
安定的構造があれば、重心が転換する
・大歩から小歩:牛の大きさぐらいの距離=実用的な距離
・歩法のポイント:手を死んだ状態にしない
安定的な構造のまま、危地に進入する
泥の中を滑るように進む感じ:形意拳、八極拳で伝わっている実用的な歩き方
歩法の時に上半身を固くしない
◆”状態”について
・本相:自然真相
・畏 → 疾:どちらも未知。対策は立てられない
・万物皆有霊性:万物=生命。生存が中心
・霊性:感知力
・霊性、感知力
古代の人の考え方。現代の心理学・解剖学的な捉え方と全く違う
霊性はどこにあるのか?”状態”にある
人類の発展と共に失われている
・韓星橋先生は座っている時も状態を失っていなかった
・椿法の目的は、霊性=感知力・状態を感じること
◆”状態”の歴史的経緯
・(神意以前)
・神意(霊性)
・勁
・有形無意
王向斉の時代の言葉。
”意”が無くなってしまった。そこで王は”神意”に戻ることを唱えた。
しかし、この”意”という言葉自体が、すでに昔とは違う定義イメージ、意志、精神など)になってしまった。
「重意感」本当は”感”だった。意は自ずから形を生ず。
自然本能運動を探る。技能では無い
・核心を得られれば、あらゆるモノに応じることが出来る
◆歩法
●小車歩
・六合(頭、手、足が合うこと)を認識するプロセス
・一寸一寸進む
寸=危険との距離
・(接触)点が大事。A→Bの移動では無い。もうすぐ接触しようとする、その”点”に注目する
・感知力が大事
・練習時は目の前の人を倒そうとしない
・肘を活かせるように、肩に力を入れない
・手を伸ばし過ぎない。抱式を忘れない。
◆拳法
・歩法が一番大事 歩:70% 身:20% 手:10%
・勝つも歩。負けるも歩(王の言葉)
・上体は変えない。状態が変わるだけ(韓先生は全くかわらない!!)
・「杵」:河北省での拳の呼び方。杵で撞くようように拳を打っていた
・人を倒すこと。稲妻のように。ただし、速いことではない。速くなくても良い。針を穴に通すように
・拳の握り方:取りに行く過程で巻く。(これによって、自然に力が入るし、上体が変わらない。また”杵”感がある!
・練習の仕方(ウィリアムの気づき)
エネルギーが満ちている感じ(畏)
相手がいる(疾)
抱(上下左右のまとまり)
ゆっくり動く
速く
・重要なポイント”順”=連続的なスムーズさ 「上善如水」
実戦では「更に順」
なので、練習の時に実戦イメージをもち「鉄を打つ」ようにしてはいけない
・速さの因果
3つの因
冷:突破的な(出来事)
弾:活力
脆:瞬間的に花が開くような自然現象
1つの果
快 上記の3つの因によって「速さ」が生まれる
◆その他
・学ぶとは、師の”状態”を真似ること
・即興の極意は、聞こえてくる音に対して合わせる/合わせないを選択すること。
パターンが増えれば、”流れ”を感じることが出来る
・歌のポイント
死に体で練習しない。歌は死に体では生まれない
歌は自然の産物だから、それを産出した自然(その土地にすむ人間も、言葉も振る舞いも文化も自然の産物)を知り、感じ、想いを寄せることが大事
・癖を1枚1枚剥ぎ取ることで、自然な声が現れる
ビジネスでも同じ?
そしてそれは、行動しながらで無いと出来ない
・日本語は母音を美しく聞かせることが重要
・韓氏意拳でしか得られない観方、感じ方、成果があるから、発声に意拳を取り入れている
・鳴く鳥に、悪い鳴き声が無いように、歌い、喋る生き物である人間は、自然の状態では、本来悪い喋り方は無い
・王先生がやったのは”武術”に於けるルネッサンス運動
・自然発声ボイトレ、自然”状態”ボイトレ、そうなってしまうボイトレ
・ジャンルが要求する歌の技術、音色は、時代によっても変わるので、些細な問題。核心を掴めば応ずることが出来る。